10を数えれば後悔しないという話。~札幌心療内科コラム

誰にでも「あんなことしなければよかった」とあとから振り返って激しく後悔した経験があるかとおもいます。
そう、私たちは生きている限り、日々さまざまな感情の波に襲われます。
しかし、その感情の嵐に飲み込まれず、自分の人生の主導権をきっちり守るための、驚くほどシンプルで強力な方法があります。
今回は、この「10を数える」という行為が、なぜ私たちの脳とメンタルに絶大な効果をもたらすのか、その理由をお話しします。
◆ 脳のバグをリセットする「10秒」の境界線
心理学や脳科学において、怒りや不安、衝動的な欲求といった強い感情が湧き上がるとき、
脳の奥深くにある「扁桃体」という部分が激しく興奮しています。
このとき、脳はいわばジャックされた状態になっており、冷静な思考回路が一時的にストップしてしまっているのです。
しかし、ここからがポイントです。
この扁桃体の興奮のピークは、長くても「約6秒」で落ち着くと言われています。
(話題のアンガーマネジメントでも同じですね。)
つまり、感情が湧き上がった瞬間にそのまま行動に移してしまうから後悔するのであって、
最初の10秒間さえやり過ごすことができれば、脳の司令塔である「前頭葉」が働き始め冷静な判断を取り戻すことができるのです。
何かを言いそうになったとき、スマホの画面をタップしそうになったとき、
まずは胸のなかで「1、2、3……」とゆっくり10まで数えてみる。
これだけで、脳のキャパシティを「数えること」に一時的に割くことができ、衝動的に動くことが少なくなるはずです。
◆ 完璧を目指さない。3回に1回できれば大成功!?
「でも、頭では分かっていても、いざその瞬間になると忘れて数えられないよ…」と思うかもしれません。
それで全く構いません。
私たちはロボットではないので、すべての感情を完璧にコントロールすることなんて不可能です。
自分の意思の力を信じすぎて「毎回完璧にやろう」とルールを厳しくしすぎると、
できなかったときに余計に自分を責めて、自己肯定感を下げてしまいます。
3回に1回でも、10秒立ち止まって踏みとどまることができたなら、
それだけであなたの人生の「後悔の総量」は確実に3分の1に減っています。
ぜひ、今日からおまじないのように「まずは10数える」を試してみていただければ幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



