誰もが今日の時間を奪われてる、という話。~札幌心療内科コラム

◆ あなたの人生から47%を奪う「見えない税金」の話。

毎日を忙しく過ごしているはずなのに、
「今日一日、何をやっていたんだろう……」と虚しさを感じたり、
理由のない焦りに追われたりすることってありませんか?

実は私たちは、起きている時間の半分近くを、自分で自分の首を絞めるために使ってしまっているかもしれません。

ハーバード大学の心理学者マシュー・キリングワースが2250人を対象にした調査によると、非常に驚くべきデータが明らかになっています。

人は一日の時間の『47%の時間、過去や未来のことを考えてる』というのです。

一日のほぼ半分です。これって、とツッコミを入れたくなるほどの「時間のドロボウ」ですよね。
今回は、この脳の無駄遣いを止め、自分の人生を100%取り戻すための心理学的なアプローチをお話しします。

◆ 脳は放っておくと「心ここにあらず」になる

心理学や脳科学において、このように目の前の現実から意識が離れ、
過去の後悔や未来の不安へ勝手にワープしてしまう現象を「マインドワンダリング」と呼びます。

脳には「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という回路があり、
私たちがぼーっとしているときや、目の前の作業に没頭していないときに、この回路が異常に活発に働き始めます。

そして脳のキャパシティ(処理能力)を勝手に使い、脳全体のエネルギーの約60〜80%を消費してしまうのです。

つまり、過去の失敗を思い出して落ち込んだり、まだ起きてもいない未来の不安に怯えたりしているとき、
私たちの脳は激しい労働をしてグッタリと疲弊しています。

この「心ここにあらず」の状態こそが、強いストレスやうつ症状を引き起こす最大の原因(脳の罠)になっているのです。

◆ 「今、ココ」の瞬間を100%味わい尽くす

せっかくの自分の人生なのに、その半分近くを「過去の後悔」や「未来の不安」という、
今すぐにはどうにもできない幻のために浪費してしまうのは本当にもったいないことです。

そこで、心理学でいう「マインドフルネス」の視点を持つと、この見えない税金の徴収をピタッと止めることができます。

「過去」はすでに過ぎ去ったデータであり、「未来」はまだ存在しないただの予測です。

あなたが触れることができ、変えることができるのは、常に「今、この瞬間」の現実だけ。

人生という限られた時間を、正体不明の不安にこれ以上納税するのではなく、
目の前のことにとにかく集中、していただければとおもいます。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)