人間は「行動」という話。~札幌心療内科コラム
自分がどんな人間なのかを考えるとき、多くの人は性格や肩書きを思い浮かべます。
「真面目です。」
「優しいです。」
「会社員です。」
「学生です。」
でも、本当にその人を表しているのは何でしょうか。
肩書きでも、思考でもありません。
人間を作るのは、「今この瞬間の行動」です。
たとえば、
「運動したい」
と言いながら、今日も家で寝ている人。
一方で、
「運動は苦手なんです」
と言いながら、今日ジムへ向かっている人。
この二人を比べたら、どちらが「運動する人」でしょうか。
もちろん後者です。
思考ではありません。
願望でもありません。
肩書きでもありません。
人は、行動していることによって定義されるのです。
心理学でも、行動が考え方や自己イメージに影響を与えることが知られています。
心理学者ダリル・ベムは「自己知覚理論」という考え方を提唱しました。
これは、人は自分の行動を見て、
「自分はこういう人間なんだ」と考えるというものです。
たとえば、最初は読書が好きではなかった人でも、
毎日少しずつ本を読んでいるうちに、
「自分は本を読む人なんだ。」と思うようになります。
運動も同じです。
最初は運動嫌いだった人でも、毎日少しずつジョギングを続けていると、
「自分は運動する人間なんだ。」
という自己イメージが少しずつできあがっていきます。
つまり、人は考え方が変わってから行動するだけではありません。
行動するから、自分自身の考え方も変わっていくのです。
最初は「自分には向いていない」と思っていたことでも、
少しずつ続けるうちに、その認識が覆ることだってあるでしょう。
つまり、自分を変えるのは、
大きな決意ではなく、ほんの少しの行動なのです。
本を1ページ読む。
スクワットを1回する。
机に5分だけ向かう。
メールを1通送る。
たったそれだけでも、昨日とは違う自分になっています。
大切なのは、0か100かではありません。
0.01ミリでも、なりたい自分の方向へ進んでいるかどうかです。
その積み重ねが、数か月後、数年後には大きな差になります。
結局のところ、
未来のあなたを作るのは、
今日考えたことではなく、今日やったこと。
もし今、なりたい自分がいるのなら、
その人なら今この瞬間、どんな行動をするだろう。
そう考えて、小さな一歩を踏み出してみてください。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



