頼ることの重要性。~札幌心療内科コラム

「人に迷惑をかけてはいけない。」
そう教わって育った人は多いと思います。
だからこそ、
困っていても、
つらくても、
「自分で何とかしなきゃ。」
と、一人で抱え込んでしまう人が少なくありません。
でも実は、心理学には「頼られた人は、その相手を好きになりやすい」という現象があります。
これは「ベンジャミン・フランクリン効果」と呼ばれる心理効果です。
ベンジャミン・フランクリンは、自分を嫌っていた相手に本を貸してほしいとお願いしたところ、その後その相手との関係が改善したことから、この現象が知られるようになりました。
一見すると不思議ですよね。
普通は、
「助けてもらった人が、助けてくれた人を好きになる。」
と思いそうです。
でも人間の心は少し違います。
誰かを助けると、
「自分はこの人のために行動した。」
という事実と、
「自分はこの人が嫌いだ。」
という気持ちが矛盾してしまいます。
そこで脳は、
「助けたということは、この人のことを嫌いではないんだ。」
と考え、気持ちのつじつまを合わせようとします。
その結果、相手への好意が高まりやすくなるのです。
もちろん、何でもかんでも頼めばいいという話ではありません。
無理なお願いや、一方的に頼り続ける関係では、相手も疲れてしまいます。
でも、
「これ教えてもらえませんか?」
「少しだけ手伝ってもらえますか?」
そんな小さなお願いであれば、お互いの距離を縮めるきっかけになることがあります。
真面目な人ほど、
「こんなことお願いしたら悪いかな。」
と思ってしまいます。
でも、相手からすると、
「頼ってくれてうれしい。」
と感じることも意外と多いものです。
人は一人では生きていけません。
だからこそ、必要なときには素直に誰かを頼ることも、大切なコミュニケーションの一つなのです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



