自分で自分を追い込む人の話~札幌心療内科コラム
ある会社に、新人さんが入社しました。
初日から驚くほど働きます。
頼まれた以上のことまでやる。
終業時間になっても帰らない。
上司が、
「今日はもう帰っていいよ。」と声をかけても、
「大丈夫です!」
と言って仕事を続けていました。
真面目で、責任感が強く、会社としては期待の新人です。
ところが翌日。
その人は、
「思っていたより大変だったので退職します。」
と言って辞めてしまいました。
さて、この話。
「会社が悪かったんじゃないの?」
と思う人もいるかもしれません。
もちろん、本当に職場環境が悪いこともあります。
でも実は、こういうケースでは自分自身で自分を追い込んでしまっている人も少なくありません。
心理学では、
人は「頑張らなければ認められない」と考えてしまうと、
自分で自分のハードルをどんどん上げてしまうことがあります。
誰も求めていないのに、120点を目指してしまう。
頼まれていない仕事まで引き受けてしまう。
休んでいいと言われても、休めない。
そして限界が来ると、
「もう無理だ。」
となってしまうのです。
でも、本来はそうではありません。
仕事は最初から全力疾走するものではなく、長く続けるためのペースを見つけるものです。
マラソンで最初の100メートルだけ全力で走れば、途中で苦しくなるのは当然ですよね。
仕事も、勉強も、ダイエットも同じです。
最初から100%を出し続けるよりも、70%くらいで続けられる人のほうが、結果的に遠くまで進めます。
真面目な人ほど、
「もっと頑張らなきゃ。」
と思いがちです。
でも、長く続けることも立派な能力です。
もし今、自分で自分を追い込んでいるなと感じたら、一度だけ立ち止まって考えてみてください。
「これは本当に求められていることなのか。」
それとも、
「自分が勝手に自分へ課しているノルマなのか。」
その違いに気づくだけで、心はずいぶんラクになります。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



