なぜダイエット本は超肥満からスタートするのか。~札幌心療内科コラム

最近「約30kgやせた医師が教えるダイエット本!」みたいな本を読みました。
約30kgって結構な体重なので、どんな内容だろうと思って読んだところ、こうありました。

「自分は今まで体重が130kgくらいだったのが、
この方法で30kgやせて100kgになりました!」

いやいやいやいや、

スタートがすごい。
スタートの時点でもうすごい。

しかもゴールがそれでいいのかも気になる。

「1000万円の借金があった自分が借金800万円にまで減らした方法!」

みたいな本というか。

いや、まだだよ!

まだ本書くの早いよ!
その時間で早く残りの借金返してー!

みたいな。

逆に130kgまで体重増やす方法で本書いた方がいいんじゃないか。
そっちの方がレアスキルじゃないか。

そんなふうに思えました。

本の内容は説得力はあったのですが、

「でもまだ100kg体重あるのに書いてるのか…」
「この方法では100kg以下には落としきれないんだな…」

と思うと、なんというか感慨深かったです。

それはそうと、多くのダイエット本やビジネス書では確かによく

「●●kg落とした!」とか
「借金●●円から、貯金△△円まで稼いだ!」

みたいな表記があります。

この理由は二点あります。

一つが「ゲインロス効果」。

人間は落差に反応する、という心理です。
フィクションでいうと

不良がネコを助けると好感度極大!
ナマイキだった少女が屈服すると、大きなお友達も大興奮!

みたいなやつです。

落差が大きいほど「すごい方法だ」と判断され、そしての落差を大きくするためには、最初がすごいダメな状態である方が目立つため、そんな状況になってるんだと思います。

もう一つが「共感」。

最初にダメな状態からスタートすることで、読者は自分との共通点を見出して、

「この人の言う事なら信じられるかも!?」

など思わせて、主張に惹きつける効果があります。

そう考えると、意外に理にかなってるな、と思いました。

ぜひみなさんも、何か自分で持っている欠点をちょっとでも一歩でも克服してみましょう。
それで本が書けます。
ぜひ。

(完)