自分の欠点が気になるときの対処法について。~札幌心療内科コラム

◆ なぜ「欠けた点」ばかり気になるのか?

「上記の円の絵を見てどう思う?」
そう聞かれると、多くの人は円そのものではなく、
「欠けた部分」に目がいきます。

これは決してあなたの性格の問題ではありません。

人間の脳は、
不完全なものや異常に優先的に注意を向けるようにできています。

危険や問題を早く察知するための、
いわば生存のための仕組みです。

だからこそ私たちは、
「できている部分」よりも「足りない部分」に敏感になるのです。

◆ ネガティビティ・バイアスという心のクセ

この現象は心理学では
ネガティビティ・バイアス」と呼ばれます。

ポジティブな情報よりも、
ネガティブな情報のほうが強く印象に残る傾向のことです。

たとえば、

・9回うまくいっても、1回の失敗が頭に残る
・褒められたことより、指摘されたことが気になる

こうした経験は誰にでもあるはずです。

Baumeisterら(2001)の研究でも、
人は「良い出来事」より「悪い出来事」のほうに
強く影響を受けることが示されています。

つまり、
欠点ばかり気になるのは自然な反応なのです。

◆ 自分の見え方は「偏っている」

もう一つ重要なのが、
私たちは“自分を正確に見ているわけではない”ということです。

一度「自分はダメだ」と思うと、
それを裏付ける情報ばかり集めてしまいます。

できたことは見逃し、
できなかったことだけを覚えている。

まるで、
「欠けた部分だけを拡大して見ている状態」です。

でも実際のあなたは、
その一点だけでできているわけではありません。

むしろ大部分は、
ちゃんとできている円なのです。

◆ 見方を変えるという技術

では、どうすればいいのでしょうか。

答えはシンプルです。

「欠点を見るな」ではなく、
「全体を見る意識を持つ」こと。

たとえば、1日の終わりに

・今日できたことを3つ思い出す
・誰かの役に立てた場面を振り返る

こうした習慣を持つだけで、
注意の向き方は変わっていきます。

最初は違和感があっても、
繰り返すことで“見える景色”が変わってきます。

◆ まとめ

私たちはどうしても、
「欠けた点」に目がいきます。

それはネガティビティ・バイアスという、
人間に備わった自然な働きです。

でも、そこで止まる必要はありません。

あなたは、
欠点だけでできているわけではない。

むしろ、
欠けていない部分のほうが圧倒的に多いはずです。

その全体を見ずに、
一部だけを見続けるのはあまりにももったいない。

円は、欠けた一点ではなく、
「ほとんどが完成している形」です。

そしてそれは、
あなた自身にも同じことが言えるのです。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)