いつも公園に座っている女子が気になってしまう男子。~札幌心療内科コラム

以前、人は見えていない部分を自分の想像で補ってしまう、という話を書きました。
https://sapporo.yuik.net/man/5999.html
恋愛では特に、
「きっと優しい人なんだろう。」
「きっと気が合うはず。」
そんなふうに、まだ知らない部分まで理想で埋めてしまうことがあります。
さて今回は、その続きです。
実は人間は、一度そう思い込むと、
今度はその考えを裏付ける情報ばかり集めるようになります。
例えば、
いつも公園で本を読んでいる女性がいたとします。
「読書が好きなんだ。」
ここまでは事実です。
そして、
「きっと真面目な人なんだろう。」
と思ったとします。
すると、それ以降は不思議なことが起こります。
静かに読書している日は、
「やっぱり真面目だ。」
と思います。
ゴミを拾っている姿を見れば、
「やっぱり真面目で優しい。」
と思います。
では逆に、
店員さんに少しきつい口調で話していたらどうでしょう。
歩きながらゴミをそのまま落としていたらどうでしょう。
友達の話を面倒くさそうに聞き流していたらどうでしょう。
普通なら、
「あれ、思っていた人と少し違うかも。」と感じてもいい場面です。
しかし一度「きっと真面目で優しい人なんだ」と思い込んでいると、
「たまたま疲れていたのかもしれない。」
「今日は嫌なことがあったのかもしれない。」
「きっと普段は違うんだろう。」
というように、最初に抱いたイメージを崩さない方向で解釈してしまうことがあります。
心理学では、このように自分の考えを支持する情報ばかり集め、
反対の情報を見落としやすくなる現象を「確証バイアス」と呼びます。
これは恋愛だけではありません。
「あの人は怖い人だ。」
と思えば、少し口調が強かっただけで、
「やっぱり怖い。」
となります。
逆に、
「あの人は優しい。」
と思えば、多少ぶっきらぼうでも、
「今日は疲れているだけなんだ。」
と解釈します。
つまり、人は現実を見ているようで、
自分が信じたい物語を見ていることが少なくありません。
恋愛では、この確証バイアスがとても強く働きます。
だから、
「運命の人だ。」
と思う前に、
一度だけ立ち止まって考えてみてください。
「自分は、その人を見ているのか。それとも、自分の思い込みを見ているのか。」
もちろん、誰かを素敵だと思う気持ちは、とても大切です。
でも本当にその人を好きになるためには、相手への印象を「結論」にしないことです。
「きっとこういう人だ」と感じても、それはまだ仮説です。
仮説なら、当たることもあれば外れることもあります。
良い印象も、悪い印象も、すぐに確定させず、「今はそう見えているだけ」と考えてみる。
そうすることで、相手を理想化しすぎず、逆に一つの違和感だけで切り捨てることも減っていきます。
話してみて、一緒に時間を過ごしてみる。
価値観を知る。
嬉しいときだけでなく、困ったときや怒ったときの姿も知る。
そうして少しずつ知っていくことで、
理想ではなく、本当のその人を好きになれるようになります。
恋愛は、「想像」がスタートでも構いません。
しかし、長く続く関係を作るのは、想像ではなく現実なのです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
オマケ

あらためまして、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。



