いつも電車で乗り合わせる女子が気になってしまう男子。~札幌心療内科コラム

電車に乗っていると、
「毎朝見かける人」っていますよね。

いつも同じ車両。

同じ時間。

本を読んでいたり。

音楽を聴いていたり。

スマホを見ていたり。

そして何日も見ているうちに、

「どんな人なんだろう。」

と思うようになります。

さらに、

「きっと優しい人なんだろうな。」

「読書好きだから知的なんだろう。」

「こんな人と付き合えたら幸せそう。」

なんて想像まで膨らんでしまう。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。

恋愛は妄想から始まることもありますからね。

でも実は、このとき人間の脳は、かなり都合よく働いています。

心理学では、人は情報が足りない部分を、自分の知識や期待で埋めようとする性質があることが知られています。

見えていない部分を、勝手に補完してしまうのです。

つまり、

その人の本当の姿ではなく、

「自分が見たい姿」

を頭の中で作り上げている可能性があります。

しかも恋愛では、その傾向がさらに強くなります。

特に男性は、外見など限られた情報から好意を抱きやすく、一目惚れを経験しやすいことがさまざまな研究でも報告されています。

だからこそ、

「この人は理想の人だ。」

と思ったとしても、
実際にはまだ何も知らないことも少なくありません。

相手からすると、

「いや、そんな理想の人じゃないんだけど……。」

と思ってしまうこともあるでしょう。

なので恋愛で大切なのは、

想像することではなく、知ることです。

会話をしてみる。

価値観を知る。

一緒に時間を過ごしてみる。

そうして初めて、その人自身が見えてきます。

もちろん、その結果、

「やっぱり素敵な人だった。」

となることもあります。

逆に、

「思っていた人とは少し違った。」

となることもあります。

しかし、それでいいのです。

恋愛は、理想を好きになるものではなく、その人自身を好きになるものですから。

もし今、誰かへの思いがどんどん膨らんでいるなら、一度だけ心の中でこうつぶやいてみてください。

「でも、まだ知らない部分もたくさんある。」

その一言があるだけで、相手を必要以上に理想化せず、自然体で接することができるようになります。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)