「何が正しいか」だけで考えていると、ハードな人生になるよ、という話。~札幌心療内科コラム

◆人生のハンドルを「正しさ」から「楽しさ」に持ち替える

すべての選択を「正しさ」という定規だけで測って決めていませんか?

いえ、もちろん、社会のルールを守ることや、やるべき責任を果たすことは大切です。

しかし、人生のすべての舵取りを「正しさ」だけで行おうとすると、
心に余裕がなくなり、いつの間にか毎日が息苦しいものになってしまいます。

なぜ、私たちは「正しさ」に縛られてしまうのか、
そして「楽しさ」を基準に選ぶことがなぜメンタルに良いのか、心理学的な視点から少し紐解いてみましょう。

◆「正しさ」の裏に隠されたメンタルの罠

心理学において、過剰に「正しさ」や「完璧」を追い求めてしまう背景には、
失敗することへの恐怖や、周囲から否定されたくないという防衛本能が隠れていることが多いとされています。

「正しいこと」を選んでいれば、誰からも文句を言われないし、
失敗したときも「ルール通りにやったから」と言い訳ができるからです。

しかし、この生き方は自分の「感情」を置き去りにしています。

脳科学的にも、人間は「正しいから」という義務感だけで動いているとき、
脳内はストレスホルモンが分泌されやすく、疲弊しやすくなります。

一方で、「楽しい!」と感じて行動しているときは、
ドーパミンなどの幸福感をもたらす脳内物質が分泌され、モチベーションも驚くほど長続きするのです。

人間関係でも同じです。

常に正しい正論ばかりを突き通すような人と一緒にいると、周りは緊張して疲れてしまいます。
逆に、少しくらい不完全でも、一緒にいて楽しい人の周りには、自然と人が集まり、温かいコミュニティが作られていくものです。

◆「楽しさ」を選ぶのは、逃げではなく「心の栄養」

「楽しさ基準で決めるなんて、ただの現実逃避やワガママじゃないか」と感じる必要はまったくありません。

心理的柔軟性の視点から見ても、心地よい選択肢を自分に与えてあげることは、立派なセルフケアの一つです。

  • 進路やキャリア:「確実で失敗しなさそうな道」よりも、「大変そうだけど、やってみたら面白そうな道」を選んでみる。
  • 休日の過ごし方:「〇〇の勉強をしなきゃ」を一度お休みして、「大好きな推しの動画をひたすら観る」に全振りしてみる。

すべてを完璧に、正しくこなそうとする必要はありません。
人生という長い旅路において、あなたを最後まで前向きに走らせてくれる物事というのは、
「正論」ではなく、日々の小さな「楽しい」「心地よい」という感情の積み重ねだったりします。

ぜひ悩んだときは実践してみてくださいね。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)