イヤなときに「許す」のは危険という話。~札幌心療内科コラム

大好きなパートナーや大切な人から、ふいにトゲのある言葉や暴言をぶつけられたとき、
「まあ、私が我慢すれば丸く収まるから…」と、すぐに許して水に流してしまっていませんか?
一見、寛大で優しい対応のように思えますが、
実は心理学的な視点から見ると、この「すぐ許す」という行為にはとても恐ろしい落とし穴が隠されています。
今回は、なぜすぐに許すことが危険なのか、その後どうなってしまうのかについて解説します。
◆ 「許すこと」が次の攻撃を引き寄せる
夫婦やカップルの関係性における心理的ダメージについて、
フロリダ州立大学の心理学者ジェームズ・マクナリティ氏が非常に興味深い調査を行っています。
彼の研究によると、
相手の暴言や暴力をすぐに許す傾向の強い人ほど、
その後も心理的、あるいは身体的な攻撃を繰り返し受けやすい
ということが判明しているのです。
なぜこのようなことが起きるかといいますと、こちらがすぐに許してしまうことで、
相手の脳内に「これくらいの暴言なら言っても大丈夫なんだ」
という誤った学習(甘え)が成立してしまうからです。
◆ 「気になったら即言う」が、二人の未来を救う
嫌なことを言われたとき、無理に「これくらい平気だ」と強がったり、
怒りを無理やり抑え込んだりして蓋をするのが一番よくありません。
許すことは問題解決にはなりません。
むしろ、その優しさが相手の攻撃性をエスカレートさせる原因になってしまうのです。
だからこそ、自分の心にモヤッとする違和感や痛みを感じたら、立ち止まって我慢するのではなく、
気になったらすぐ「それはイヤだ」と言うようにしましょう。
「今さらこんな細かいことで怒ったら、器が小さいと思われるかも……」なんて悩む必要はまったくありません。
むしろ、初期の段階で即座に伝えることこそが、
相手に「ここから先は踏み込んではいけない」という正しい境界線を教えることになります。
自分の心を守るために、ほんの少しの勇気を持って「即、伝える」ことを意識してみてくださいね。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



