婚活で「いい相手」と出会えないのは心理学的に明確な理由がある~札幌心療内科コラム

最近、スマホの「ワイヤレス充電器」を買いました。

その結果「なぜ婚活はうまく行かないか」の原因が判明したので、ちょっと聞いてください。

 

まずスマホのワイヤレス充電器なのですが、そもそもスマホカバーとセットで購入しました。

そのスマホカバーは 「カバーをつけたままでもワイヤレス充電ができる」 というのがウリでした。

そして、どちらの商品も届いたので、ワクワクしながら、カバーをつけて、そのワイヤレス充電器をつけました。

 

充電が始まりました。

しかし。

カバーの厚みがあるためか、数秒後に充電が止まってしまいました。

ただなんとかうまーーーく付け方を工夫すると、充電ができる状態です。

でもそのバランスが難しくて、少しでもズレると、充電が止まります。

充電できてる、と思って放置しているとまったく充電できてなかった、みたいなこともありました。

 

結局、何回か試行錯誤して、絶妙なバランスのときだけ充電できるようになりました。

ギリギリのジェンガかな?

ってくらいの状況です。1ミリでも動かしたら崩れる。

 

しばらく格闘して、気づきました。

「これ、普通にケーブル差し込んだ方が早い」

 

こういう「原点回帰」みたいなことって多々ありますね。

いつかこれが行き過ぎると「スマホ使うより直接話した方が早い」みたいなこと言って、色々な人のところに乗り込んでいって、ストーカーとして逮捕されるんじゃないか、みたいな未来が一瞬見えました。

切ない。

 

さて、ここでふと思います。

自分がそこまで面倒くさいことをしても、「ワイヤレス充電」にこだわったのは、間違いなく「お金を出してそれを買ってしまい、さらに試行錯誤をしてしまったから」です。

なんか、そこまでして、やめるのがもったいない、という心理が働いていたのだと思います。

 

これ、心理学では「コンコルド効果」と呼びます。

コンコルドという航空機を、多くのお金をかけて開発しようとした人たちが、なかなか撤退できず、さらに莫大なコストをかけてしまった…という話から来ています。

「サンク(沈んだ)コスト効果」とも呼びます。

 

これ、一見「バカだなぁ」と思いますよね。

頭を早く切り替えれば良かったのに、と。

 

でもでも、実はこれ、決して間違ったことではないんです。

 

このコンコルド効果、虫や小動物たちも、同じような行動をすることが分かっています。

 

たとえば「ジガバチ」という虫がいます。

このジガバチは、エサとなる小さな虫たちに麻酔をかけ、巣に持ち帰って、子供たちに与えるという習性があります。

「残酷!」と思う人もいるかもしれませんけども、まぁ、自然界ですからね、しょうがないです。

で、このとき、巣が、別のジガバチと「かぶってしまう」ことがあります。

偶発的シェアハウスです。ダメな意味での。

 

するとその巣がかぶったジガバチ同士、めっちゃ争います。

ここで、「より長くあきらめず、より長くその巣に執着して戦い続けるジガバチ」は、どっちだと思いますか?

実は答えは「その巣に、よりたくさんの虫(エサ)を運んできたジガバチ」です。

これ、コンコルド効果(サンクコスト効果)になってますよね。

当然ですが、ここで負けたらより労力的にソンですし、こだわる理由も理解できます。

 

またネズミや鳥などの小動物に、二匹の子供がいたとします。

一匹は大きく(兄や姉)、もう一匹はまだ小さい赤ちゃん(弟や妹)だとします。

このとき、親は、エサが限られてる場合、自然に大きな方にエサを与えます。

いえそうでなくても、大きな方は、小さな弟妹から、エサを奪います。

そして親は、それを止めません。

「お兄ちゃんだからガマンしなさい!」

みたいなことはないのです。

 

なぜなら、

「大きくなった子供は、小さな赤ちゃんよりも死ににくい。逆にまだ小さな赤ちゃんは、カンタンなことで死んでしまうかもしれない。 結果、大きな子供が確実に生き残った方が、親の遺伝子が残りやすくなる

からです。

結果、兄や姉がエサを独占する方向になっていくのです。

これも親からしてみれば、「すでに労力やエサをかけた方を、より大切に扱う」ということで、コンコルド効果になっています。

 

すなわち「コンコルド効果」は、実際の「コンコルド」では失敗してしまったわけですが、それは「レアな話」で、基本的には「ちゃんと生物的に理にかなっている」ということになります。

 

さてここで、「婚活」に目を向けてみましょう。

婚活こと、結婚相談所に登録した男女が、最終的に成婚できる確率は「10%」程度だと言われています。

すなわち10人に1人しか結婚できない。

これ、マッチングアプリでも似たようなものではないでしょうか。

 

これはなぜか。

 

色々な理由が考えられますが、一番は「苦労していないから」ではないでしょうか。

 

「あなたにマッチングした人はこちらです」

「今回はこの人とピッタリなのはこの人です」

そう言われて会っただけの人。

 

この人と結婚できるのか。

「絶対にこの人だ!」

と思えるのか。

 

間違いなく、大半の人が

「いや、もうちょっと考えたい」

「何か違う気がする」

「他にもっといい人もいるかもしれないし…」

と思ってしまうはずです。

 

重ねてこれは「コンコルド効果」を「起こしていない」からです。

あまりにカンタンに見つかっているので「価値が低いのでは?」と考えてしまっているのです。

 

いえ!

「婚活だって苦労はあるんだ!」

「さんざん色々な人たちと会うのも大変なんだ!」

という意見もあるかと思います。

 

でも、「その相手とマッチする」こと自体の苦労ではないですよね。

その人本人と会うためだけに1000万円払ったとか、ジャングルをかきわけて最初のデートに行った、とかではないはずです。

そういう意味で、「その相手」への苦労が少ない分、コンコルド効果が起こりにくい、ということになります。

結果的に価値が上がりづらく、成婚に至らない…と考えることもできるわけです。

 

よって結論を言います。

 

いい相手を見つけたかったら、いえ、相手は「いい相手」と思い込みたかったら、苦労することが重要ということです。

苦労こそが愛を生むのです。

 

もし恋人がいるのなら、一緒に旅行に行ってみる。

旅行は費用もかかりますし、予想外なことも多々ありますので、より「苦労」することになり、関係性はさらに深まるかもしれません。

 

また結婚相談所以外での出会いも並行して見つけてみる。

ネット経由でも趣味サークルでもいいので、色々な場所に顔を出して、ナチュラルな出会いを探してみましょう。

 

間違いなく苦労すると思いますが、それによって、よりフィットして、より「好きになれる」相手に出会えるかもしれません。

 

また仕事でも同じです。

いろいろな仕事を調べても、資格をとっても、寝る間を惜しんで副業してもOKです。

苦労した分「これは天職だ!」と思える仕事が見つかる可能性は高くなります。

 

人生を楽しくするキーワードは「苦労」。

何か少しでも参考になることがあれば幸いです。