予備校に並ぶカップルの切ない話。~札幌心療内科コラム
昔、通勤時に毎朝、予備校の前を通っていたんですけども。
その予備校が、開く時間が9時くらいで。
開くよりもずっと早く到着してる、行列を作ってる学生たちがいました。
自分が学生だったとして、ここまで熱意もって勉強できるか不明です。
熱心だなぁ、と思って見ていました。
するとその一番前のあたりで、男女が、仲良さそうに2人で同じ参考書を見て勉強していました。
男子は結構カッコよく、女性も結構キレイ系です。
2人とも楽しそうに参考書を見つつ話をしています。
恋人的な感じでしょうか。また淡く初々しい戦友とかでしょうか。
え、どっちにせようらやましい。
いや、青春だな、と思って見ていました。
しかし。
そのまま新学期になりました。
するとそのカップルらしき男女が、最前列からいなくなっていたのです。
あれ?と。
いや、まぁ、望ましいと思うんですよ。
そもそも予備校に毎朝通っていた時点で、浪人されている人たちなわけですから。
毎年いちゃいけない。
じゃあ、ふたりとも無事に合格したのかな?
と思っていましたところ。
列の後ろ近くに、そのカッコいい男子がいました。
一人でした。
参考書も開いておらず、どことなく疲れた顔をしていました。
え、これ、色々な可能性が考えられると。
A 彼女だけが合格し、彼だけがもう一浪が決定
B 二人とももう一浪し、彼女だけが受験をあきらめた。
C 二人とももう一浪し、彼女が「たまたま休み」。
とりあえずの三択だと思うんですが、もしCならば、おそらく彼は今までと同じように、最前列近くにいるはずです。
なんというか、あそこまで後ろに並び、どことなくやる気も落ちている状態。
これ、AかBの可能性が高いのではないかと。
その場合、Aだと結構キツい。
でももしかして、来年同じ大学に受かれば、また一緒に過ごせるという希望がある。
Bだとまだショックは少ないですが、その分、彼の今後の希望がなくなってしまうかもしれない。
どっちがいいんだろう。
とりあえず話を聞いてあげたいと思いつつも、でも話しかけられても迷惑だろうなと思いつつ、あたたかな目で見守って通り過ぎました。
心理学では、ストレスを原因として爆発的に何かを頑張ることを「昇華」といいますが、彼もこの切なさを昇華してぜひ合格してほしいな、と思いました。
少なくとも自分は受験時代、孤独に勉強していてよかったとあらためて思いました。強引に。



